作業療法士や理学療法士にとって、最も重要な科目と言える臨床実習。
正直なところ、作業療法士の国家試験に合格するよりも、就職するよりも、臨床実習に合格し養成校を卒業することが、何より難しいのです。
そこで今日は、これさえ外さなければ、絶対に臨床実習に合格する!というコツについて、お伝えしていきます。
臨床実習の種類と目的

まずは、臨床実習の種類についてご紹介したいと思います。
作業療法教育ガイドライン2019を参照にしています。
臨床実習Ⅰ
『見学実習』と呼ばれるものです。1年次に行われます。
目的は以下の1つです。
- 見学と体験を通じて作業療法士の役割と基本的態度,他職種の役割を学ぶ
臨床実習Ⅱ
『評価実習』と呼ばれるものです。以下の3つが目的です。
- 評価実習を通じて作業療法士の役割と基本的態度,多職種の役割を学ぶ
- 作業療法士を目指す学生としての基本的態度を身につける
- 対象者の改善課題整理と目標設定,必要なプログラム立案ができるように評価能力を身につける
臨床実習Ⅲ
『長期実習』と呼ばれるものです。3年次(または4年次)に行われます。
目的は以下の5つです。
- 総合実習を通じて作業療法士の役割と基本的態度,チームアプローチの実際を学ぶ
- 作業療法士を目指す学生としての基本的態度を身につける
- 対象者の改善課題整理と目標設定,必要なプログラム立案ができるように評価能力を身につける.
- プログラム実施を通じて治療・指導・援助ができる技能を身につける
- プログラムの効果を判定する能力を身につける
臨床実習Ⅳ
『地域作業療法実習』と呼ばれるものです。3年次(または4年次)に行われます。目的は以下の2つです。
- 地域作業療法実習を通じて作業療法士の役割と基本的態度,他職種の役割を学ぶ
- 地域在住の対象者の指導・援助ができる技能を身につける
臨床実習を乗り切るコツ

ご覧の通り、臨床実習には4種類ありますが、見学実習や評価実習で単位が取得できずに留年する・・・ということは、まずありません。
というのも、作業療法を学び始めて1年、2年の学生に求められるのは、作業療法士としての知識以上に、社会人としての基本的な態度が求められるからです。
具体的には
- 挨拶がきちんとできるか
- 身だしなみは整っているか
- 正しい言葉遣い(敬語)ができているか
- 遅刻・欠席しないか
- 守秘義務を守れるか
- 自ら学ぼうとする姿勢はあるか
という、当たり前のことさえできていればOK!
問題は、約8週間という長期に渡る実習2つです。
この2つの実習は、社会人としての基本的な態度はもちろん、作業療法士としての知識や素質も求められます。
だけど、心配はいりません!これさえ抑えておけば、必ず臨床実習を乗り切ることができます。
1)臨床実習に合格することではなく、目の前の患者さんを良くすることだけ考えよう!
これは、尊敬する大学の恩師が、臨床実習に出る直前に教えてくれた言葉です。
これまで沢山の学生を見てきて、臨床実習に合格する人・しない人の違いは何か?
それは、臨床実習の目的が『患者さんを良くする』ことなのか、『臨床実習に合格する』ことなのか、だそう。
確かに、目の前にいる患者さんを良くしたい!と心から思えば、患者さんと積極的にコミュニケーションを取ったり、分からないことは自ら学んだり、指導者に聞いたりと、自然と意欲的な態度が現れてきます。
この、意欲的な態度が全てといっても過言ではありません。
実際の現場はとてつもなく忙しいです。指導者は、自分の担当患者さんを治療しながら、学生の指導という仕事もプラスαでこなしています。
私も何人か学生を指導してきましたが、意欲のない学生ほど、教える気になれないことはありません。
また、明らかに実習を乗り切ることだけを目的としていて、小手先の知識や技術でごまかそうとする学生も、到底教える気にはなりません。
指導者は、人を観察するプロです。作業療法士です。学生の魂胆なんで、全て見透かされています。
なので、ただ純粋に『目の前の患者さんを良くする』ことだけ考えましょう!
2)分からないこと・不安なことは素直に伝えよう!
これ、意外とできない学生が多いです。
プライドが高い、コミュニケーションが苦手など理由は様々ですが、何が分からないか分からない、何に困っているかわからないと、指導者も教えようがありません。
どんなに学校の成績が優秀で、知識があったとしても、所詮は座学にすぎません。実際の現場では、学校で教わらなかったようなことに数多く直面します。
自分で調べても解決しない・・・そんな時は、素直に指導者や学校の先生に聞きましょう!
「●●についてここまで調べてみましたが、どうしても分かりません。」と。
不安なことについても同様です。
1人で抱え込まず、どんどん指導者を頼りましょう。
作業療法士になった時も、自分では手に負えない症例と遭遇した時、先輩や同期の知識や技術を頼ることは大切です。
今のうちに、うまく周りを頼るスキルを身につけることも大切です。
3)寝るな!
課題が多く、寝不足が重なるとどうしても眠たくなってしまいます。
気持ちは分かりますが、忙しい時間を割いている指導者や患者さんに失礼です。
足をつねる、顔を洗うなどして、とにかく死ぬ気で我慢して下さい。
最後に
いかがでしょうか?
臨床実習を乗り切るために、知識や技術よりも大切なことがあることは、ご理解いただけたでしょうか。
これさえあれば必ず臨床実習を乗り切れるので、ぜひ頑張って下さい!
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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